真珠(アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠ほか)

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真珠(アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠ほか)

2023年11月3日

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真珠(アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠ほか)

 

 

海水産の養殖真珠は、ほぼ完全な球形で強い光沢や輝き(テリ)がある。

穴あけ加工済のものは、10倍のルーペで核と真珠層の厚みを見ることができる。

1990年代初頭、海水産天然真珠の採取場はほとんど残っておらず、需要に見合うだけの真珠が市場になかった。

そのため、真円真珠を確実に養殖する方法を開発することが強く求められていた。

フランスやイギリスでも養殖研究がなされていたが、日本の真珠生産業者である御木本幸吉がその道を切り開いた。

御木本は三重県でアコヤガイ(阿古屋貝)を用いて1893年に世界で初めて半円真珠の養殖に成功し、1907年には真円真珠の養殖にも成功、生産方法も確立された。

しかし、十分な収穫量が得られ、広く市販されるようになったのは、1920年頃からである。

 

御木本が真珠養殖用にアコヤガイを選んだのは、良い真珠層、強い光沢、滑らかな表面質の真円真珠を確実に生産できるからである。

生後3年のアコヤガイに、6~7mmの核となる玉を外套膜の細胞と共に人工的に埋め込み、7~8mmの真円真珠に成長期間を短縮させ、真珠が環境変化などから悪影響を受けるリスクなども最小限に抑えることができる。

アコヤガイは年間約0.35mmの厚さの真珠層を生成する。

真珠層が厚ければ厚いほど、光沢と虹色の輝きは増すが、養殖業者の多くが病気にかかることを恐れて2年で貝から真珠を取り出すところ、御木本は3年間貝の中で成長させた。

アコヤ真珠は光沢が最も美しくなる冬に収穫され、御木本はその中でも最も良質なものだけを使用した。

商品になったのは、収穫した真珠のうちわずか10%にすぎなかったという。

アコヤ真珠の色はバラ色や緑がかった白、クリーム、黄、金色、そして自然なブルーグレーである。

また、黒くするために硝酸塩で処理されることもある。

処理された黒いアコヤ真珠には、天然もののような光沢はない。

漂白や染料液による調色処理がされることもある。

海水産養殖真珠の大きさは、径2.5~10mm。

非常に小さいものは養殖が難しく加工もしにくいため、価格が割高となる。

一方、サイズが大きいものも生成中に貝が死んでしまったり、時間がかかったりするため高価である。

形は真円、半円、セミバロックなど。

海水産の高級養殖真珠の生産は長年日本がリードしてきた。

愛媛、長崎、三重県が主要産地であるが、近年は中国海南島周辺でも養殖が始まり、市場参入している。

 

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この記事の監修者

鑑定士歴20年 中村 達也
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