宝石の色について
2024年12月21日
宝石の色について
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本日は宝石の色について説明をしたいと思います。
宝石のカラーストーン(色石)を選ぶ際に、最も重要なのは色の質です。
色がその宝石の価値の約半分を決定付ける要素だと言っても過言ではありません。
色調、鮮やかさ、または濃度の良さによって宝石の価値は上がります。
色が優れていれば、透明度、重さ、カットなどの要素が評価に与える割合は小さくなります。
しかし、淡い色や暗すぎる色のものは、透明度やカットが優れているなど、色で劣る点を補う必要があります。多様な宝石の色を知っておくことは重要で、鑑別や価値評価の際に非常に役立ちます。
色の特性
カラーストーンの色の見え方は、光の吸収のされ方によって異なります。
白色光(通常光)が石(結晶)に入射して、そのスペクトル(分光分布、つまり虹の色)に分かれます。
それらの色のいくつかは石に吸収され(選択吸収)、その他の色が反射されることで宝石はその反射された色に付いて見えます。
たとえば、ある石が青以外のすべての色を吸収した場合、その石は青く見えるという具合です。宝石はその吸収スペクトル(吸収された)によっても鑑別することが可能で、これは分光器を用いることで確認できます。
自色:主要成分に由来する色の宝石
色の原因が主要成分を構成する元素によるもので、常に定まった色相となります。
たとえば、ペリドット(カンラン石)は常に緑茶色を呈しますが、これは主要成分として含まれている鉄による着色となります。
マラカイトも常に緑色を呈するが、こちらは銅が着色要因となっています。
他色:不純物によって着色された宝石
宝石となる鉱物の大半は、純粋な成分の結晶の場合には白色または無色となります。
しかし、結晶が成長する際に、不純な成分が取り込まれた結果として、本来のとは異なる色に着色されることがあります。
一例として、ルビーは不純成分のクロムや鉄の量によって色が変化します。
また、一部の宝石では、含まれる微量成分の違いに起因して結晶が複数の色となり、バイカラーやトリカラ一の宝石が生まれます。着色が他色の例にはコランダム(ルビー、サファイアほか)、ベリル(エメラルドほか)などが有名です。
カラーゾーニング
カラーゾーニング(色の累帯構造)は、宝石を鑑別する際の重要な情報となります。コランダム、クォーツ、トルマリンなどによくみられます。
ゾーニングは多くの場合、結晶成長の過程で形成された層に対応しています。ゾーニングのチェックには、石を裏返して白い紙の上に置いて観察すると見やすくなります。
カットされる際には、運常はゾーニングが目立たないようして、色が均一に見えるようにされており、優れたものでは、宝石の輝きも利用してゾーニングが隠れるようにカットされます。
キュレットの底にわずかに色が残っていることがありますが、これは石を横から見ると確認でき、この場合も職人の巧みな技術によって、石を上面から眺めたときには色が均一に見えるようにカットされています。
色中心(カラーセンター)
結晶構造上の原子レベルの格子欠陥が原因で光の吸収が起こり、結晶が吸収された以外の色に着色されます。この欠陥を色中心とよび、鉱物の着色原因のひとつとなります。放射線照射などで人工的に中心を作り結晶を着色することも可能です。
多色性
多色性は、石を区別するのに役立つ色の特性のひとつです。多色性がある石は、見る角度によって、色が異なって見えます。
たとえば、アイオライトはこの性質が顕著で、ファセットストーンを上面と側面から見たときでは菫紫と灰色あるいは無色と別の色に見えます。
この特性は結晶系との密接な関係が認められます。
立方(等軸)系と非晶質(アモルファス)の宝石はひとつの色にしか見えず(多色性なし)、正方晶系、三方晶糸、大方晶系の宝石では見る方向によって2つの異なった色に見えます(二性)。
直方(斜方)晶系、単斜晶系と当斜晶系では方向によって見える色が3つあるため三色性となります。
カラーチェンジ
稀な現象で、この特性を持つジェムは数えるほどしかなく、アレキサンドライトやガーネットなどが該当します。たとえば、太陽光と自熱光のもとでは違う色になるというのがカラーチェンジとなります。
かなり希少な宝石が多いため、高値で取引されています。
自分の好んでいる宝石の色の特徴などは、少しでもいいので覚えておきたいですね。
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ゴールドウィン 梅田店 店長 中村監修 古物許可番号621010160159
この記事の監修者
鑑定士歴20年 中村 達也
ゴールドウィン 梅田店・難波店
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